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    S&Bコンプレックス

    玄関の扉が開いた音と「ただいま」という声が聞こえた。
     目で確認したわけでは無いが、声で姉の椎香(しいか)だとわかる。
     気になったのは、朝はあんなに楽しそうに出掛けてったというのに、帰ってくるのが随分と早いことと、声が沈んでいたこと。
     出掛けた先で何かあったのだろうと推測するものの、俺はそんなことや椎香が帰って来たことにさえも気付いていないフリをして、手にしていたPSPの画面に目を向けた。
     階段を上って来る足音に耳を傾け、目はPSPだけど意識はしっかりと部屋の外の気配に向ける。
     俺の部屋の前で戸惑いながらも止まる椎香の気配。
     何を迷っているのかはともかく、早く入って来ればいいの。と、俺は少しだけ焦れた。
     だが数秒しない内にドアがノックされる。
    「英介(えいすけ)、ちょっといいかなぁ?」
     遠慮がちにドアを開け、隙間から椎香が顔を覗かせる。
     それを視線だけで確認し、俺は「いいよ」と応えた。
     少し安心したように息を吐くと、椎香はそっと俺の部屋へ入ってきた。
     いつもだったら出掛けた先での愚痴を盛大に吐いてくれるところなのだが、今日は何か様子が違う。どことなく大人しい。
     俺が座っているベッドの上に、隣に座る椎香だが元気が無い。
     そして「はぁ…」と、わざとらしく溜息まで吐くものだから、俺は思わずPSPを傍らへ置いて「何?」と椎香を見た。
     すると椎香はじとっと軽く睨むようにこっちを見上げて。
    「…英介、あんたのせいだ…っ」
    「は…?」
     突然、全く意味の分からないことをほざく椎香に、軽く困惑する。
    「全ッ然、楽しくなかったんだもんっ!今日のデート…っ」
    「で…っ!?」
     聞き捨てならない単語が耳に入り(デートとか!)、思わずギョッとなってしまった。
    「何よ!あたしが男とデートしたらおかしい?」
    「いや…おかしくは…ない…けど?」
     弟の俺が云うのもアレだが、椎香は可愛い。それにスタイルだって良い。そりゃあモテるだろう、とは…思う。
     でも椎香が、俺以外の男と居るところを見たことなんて無かったから、勝手にあり得ないとか思い込んでいたところもあるけど…。
    「それはそうと、何で俺のせいなわけ?姉ちゃんのデートに俺は関係ないじゃん」
     自分がシスコンだとかその辺まで考えたけど一旦置いといて訊ねると、椎香は機嫌悪そうに眉を寄せてこっちを睨んできた。
     …かと思うと、急にへにょ…っと表情を崩して、泣きそう?ってゆーより、照れてる?みたいな瞳で見上げてくるし。
     暫くそうやって百面相を繰り広げていた椎香だったが。やがて。
    「英介っ!」
     キッ!と瞳に力を込めてしっかりと俺を見据えてきた。
     その瞳にドキッとしつつ「はい?」と、俺は何故か姿勢を正して返事した。
    「あたしは…っ」
     息を詰まらせたような声を出し、力を込めるように拳を握る椎香。
     行動が予測出来ず、何を云うつもりなのかするつもりなのか、とにかく椎香の様子を見ているしかなかったのだが…。
    「あたしはブラコンだーッ!!!」
     ヤケクソ気味に叫びながら、拳はキレイに空(くう)を切って動いて。
     ズドムッ。
    「うっぎゅッ!?」
     拳は見事に俺のみぞおちにキマって、鈍い苦しさに俺はよくわからない声を上げる羽目になった。
     苦しさに身を折って細かく震える俺だが、椎香の声は耳にも心にも届いたぜ…っ!
    「英介と一緒に居るのは楽しいのに、他の男となんて一緒に居ても喋ってても全然楽しくないっ!触られるのも嫌だしっ!」
     苦しむ俺を見下ろしながら、椎香は一気にまくし立てるように吐き出した。
     実際に息が詰まって返事出来ず、俺は椎香を涙目で見上げるしかない。
     すると、椎香の顔がゆっくりと近付いて来た。
    「英介となら…キスだって平気なのに…」
    「姉ちゃ…っ」
     やっとで声が出せたと思ったら、声は椎香の唇によって塞がれた。
     柔らかい感触に戸惑い、甘い椎香の香りに目眩がする。
     唇が離れるが、まだ息の掛かる距離で椎香が微笑った。
    「うん…やっぱり、平気っ」
     その潤んだ笑顔に俺は撃沈して…布団に顔埋めて悶えるしか出来なかったり。
    「英介?」
     心配気に発せられる椎香の声にも、暫く俺は反応出来なかった。

     だって…俺の愚息が暴れん坊状態になっちゃったから。

     それでも告げなければならないことだけは告げておく。
    「俺もシスコンだから…大丈夫だ」

     …何が大丈夫なのかは謎だけど、椎香が「じゃあ両想いだった!良かったぁ!」と明るく笑う声が聞こえたので、今日はこの辺にしておいてやるよ…。

     それにしても、暴れん坊ツライ…。
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