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TL・BL・官能小説を書くお仕事をしています。 ※告知以外の更新停滞中 pixiv→http://www.pixiv.net/member.php?id=2645356
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    一線超越。

    ただちょっと、いつもよりも激しい口論、いつもと同じような姉弟ケンカだったと思う。
     きっかけは些細な事で、姉ちゃんが勝手に俺の部屋からDVDだの漫画だのを持ちだしてったから。しかもそれを、俺に何も訊くことなく友達に貸したとか…。
     いや、ケンカのきっかけとかはどうでもいいんだ。どんな内容の口論だとかも今はどうでもいい。
     ただ何故か今日は、引き下がるべきところで下がれなかった。

     姉が横暴だなんて知っていたし、口では勝てないこともわかっていたけど。
     伸ばした手が姉ちゃんの肩を掴んだ時に、細いと感じた。力を込めると、いとも簡単に後ろへ倒れた姉ちゃんを見て、軽いと思った。
    これは何というか…『カッとなって』という表現がピッタリで、口では勝てないけどいざとなったら腕力では勝てるだろうが、絶対にしてはいけないことをしてしまったと気付いた。

     …気付いたけど、その時にはもう遅かった。
     倒れる最中に「きゃっ!」と、姉ちゃんの上げた悲鳴が、いつもと違って可愛く聞こえて、床の上に転がり、組み敷いてしまった身体が華奢で頼りないことに驚いてしまう。
     背中が床に落ちた時の衝撃で揺れたバストや、捲れたスカートから覗く柔らかそうな白い太腿に…思わず息を止めた。
     打った背中と後頭部が痛いらしく、歪む表情や目の端に滲んだ涙が、急激に俺の胸中を蝕んだ。

    「涼太(りょうた)、は、早く退きなさいよっ」
     一瞬、姉ちゃんの声に俺はハッとなったが、見下ろせば眉を不安げに潜ませた姉ちゃんが居て、軽く困惑してしまう。
     姉ちゃんは上体をよじろうとしたり足をしきりに動かすが、俺が肩を押さえつけて覆いかぶさっているので、自力ではどうにもならない様だった。

     心が、焦る。
     この状態はヤバイと。

     だから早く姉ちゃんの上から退かないと。とは思うが、俺の身体は動かなかった。
    「ちょっと涼太…?」
     見下ろすと姉ちゃんの瞳の中には、怯えの色が微かに滲んでいて。

     あぁそうか。

     と、何故、姉に『勝って』はいけなかったのかを理解した。
     今、俺の目に映っているのは『姉』ではなく、ただの『女』なのだと。
     俺の中では今、押し倒して組み敷いている姉ちゃんを『姉』として見れなくなっているのだ。

     これは本当にヤバイ。

     しかし思った時にはもう遅かった。
     離れようにもざわついていた心が急激に『性欲』を自覚し始める。
     姉相手に欲情しているなんて認めたくなかったが、今の俺には姉ちゃんがただの女にしか見えないのだ。

    「ねぇ…痛いよ」
     停まっていた空気を、姉ちゃんの声が動かした。
     小さく発せられた声はいつもと違って弱気で震えていて、俺を見る瞳は潤んでいて…今までに見たことないような姉ちゃんの表情(かお)に、心が大きく揺さぶられた。
     細い肩から手を離すことが出来ずにいると、姉ちゃんは諦めたように身体からゆっくりと力を抜いていった。
     姉ちゃんの身体から力が抜けきったところで、俺は動いたが、そこから退くためじゃない。
     意識してしまった欲情は、あまりに衝撃だったからか、抑えることが出来なかった。

     人形のように動かなくなった姉ちゃんは、声だけは殺しつつもそのまま…俺にされるがままになった。

     …気付かなければ良かったことに気付いて、決して超えてはならない壁を超えてしまった。
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    S&Bコンプレックス

    玄関の扉が開いた音と「ただいま」という声が聞こえた。
     目で確認したわけでは無いが、声で姉の椎香(しいか)だとわかる。
     気になったのは、朝はあんなに楽しそうに出掛けてったというのに、帰ってくるのが随分と早いことと、声が沈んでいたこと。
     出掛けた先で何かあったのだろうと推測するものの、俺はそんなことや椎香が帰って来たことにさえも気付いていないフリをして、手にしていたPSPの画面に目を向けた。
     階段を上って来る足音に耳を傾け、目はPSPだけど意識はしっかりと部屋の外の気配に向ける。
     俺の部屋の前で戸惑いながらも止まる椎香の気配。
     何を迷っているのかはともかく、早く入って来ればいいの。と、俺は少しだけ焦れた。
     だが数秒しない内にドアがノックされる。
    「英介(えいすけ)、ちょっといいかなぁ?」
     遠慮がちにドアを開け、隙間から椎香が顔を覗かせる。
     それを視線だけで確認し、俺は「いいよ」と応えた。
     少し安心したように息を吐くと、椎香はそっと俺の部屋へ入ってきた。
     いつもだったら出掛けた先での愚痴を盛大に吐いてくれるところなのだが、今日は何か様子が違う。どことなく大人しい。
     俺が座っているベッドの上に、隣に座る椎香だが元気が無い。
     そして「はぁ…」と、わざとらしく溜息まで吐くものだから、俺は思わずPSPを傍らへ置いて「何?」と椎香を見た。
     すると椎香はじとっと軽く睨むようにこっちを見上げて。
    「…英介、あんたのせいだ…っ」
    「は…?」
     突然、全く意味の分からないことをほざく椎香に、軽く困惑する。
    「全ッ然、楽しくなかったんだもんっ!今日のデート…っ」
    「で…っ!?」
     聞き捨てならない単語が耳に入り(デートとか!)、思わずギョッとなってしまった。
    「何よ!あたしが男とデートしたらおかしい?」
    「いや…おかしくは…ない…けど?」
     弟の俺が云うのもアレだが、椎香は可愛い。それにスタイルだって良い。そりゃあモテるだろう、とは…思う。
     でも椎香が、俺以外の男と居るところを見たことなんて無かったから、勝手にあり得ないとか思い込んでいたところもあるけど…。
    「それはそうと、何で俺のせいなわけ?姉ちゃんのデートに俺は関係ないじゃん」
     自分がシスコンだとかその辺まで考えたけど一旦置いといて訊ねると、椎香は機嫌悪そうに眉を寄せてこっちを睨んできた。
     …かと思うと、急にへにょ…っと表情を崩して、泣きそう?ってゆーより、照れてる?みたいな瞳で見上げてくるし。
     暫くそうやって百面相を繰り広げていた椎香だったが。やがて。
    「英介っ!」
     キッ!と瞳に力を込めてしっかりと俺を見据えてきた。
     その瞳にドキッとしつつ「はい?」と、俺は何故か姿勢を正して返事した。
    「あたしは…っ」
     息を詰まらせたような声を出し、力を込めるように拳を握る椎香。
     行動が予測出来ず、何を云うつもりなのかするつもりなのか、とにかく椎香の様子を見ているしかなかったのだが…。
    「あたしはブラコンだーッ!!!」
     ヤケクソ気味に叫びながら、拳はキレイに空(くう)を切って動いて。
     ズドムッ。
    「うっぎゅッ!?」
     拳は見事に俺のみぞおちにキマって、鈍い苦しさに俺はよくわからない声を上げる羽目になった。
     苦しさに身を折って細かく震える俺だが、椎香の声は耳にも心にも届いたぜ…っ!
    「英介と一緒に居るのは楽しいのに、他の男となんて一緒に居ても喋ってても全然楽しくないっ!触られるのも嫌だしっ!」
     苦しむ俺を見下ろしながら、椎香は一気にまくし立てるように吐き出した。
     実際に息が詰まって返事出来ず、俺は椎香を涙目で見上げるしかない。
     すると、椎香の顔がゆっくりと近付いて来た。
    「英介となら…キスだって平気なのに…」
    「姉ちゃ…っ」
     やっとで声が出せたと思ったら、声は椎香の唇によって塞がれた。
     柔らかい感触に戸惑い、甘い椎香の香りに目眩がする。
     唇が離れるが、まだ息の掛かる距離で椎香が微笑った。
    「うん…やっぱり、平気っ」
     その潤んだ笑顔に俺は撃沈して…布団に顔埋めて悶えるしか出来なかったり。
    「英介?」
     心配気に発せられる椎香の声にも、暫く俺は反応出来なかった。

     だって…俺の愚息が暴れん坊状態になっちゃったから。

     それでも告げなければならないことだけは告げておく。
    「俺もシスコンだから…大丈夫だ」

     …何が大丈夫なのかは謎だけど、椎香が「じゃあ両想いだった!良かったぁ!」と明るく笑う声が聞こえたので、今日はこの辺にしておいてやるよ…。

     それにしても、暴れん坊ツライ…。

    一線間近!

    「それじゃあ行ってくるから、お留守番お願いね!」
     笑顔で、それでも少し急ぎ気味にママがこっちを見て微笑んだ。
     あたしも、弟の晴太(せいた)も、その笑顔に釣られてニッコリ笑って頷く。
    「いってらっしゃい」
     手をヒラヒラさせると、ママは安心したようにもう一度微笑い、いそいそと出掛けて行った。
     玄関の扉が閉まる。

    「行っちゃったね」
    「うん」
     何となくぼーっとした感じに、あたしたちふたりは玄関に立ち尽くしていた。
     別にどうってことない。
     単身赴任中のパパのところへママが月一泊りがけで出掛けるので、たまにある、姉弟ふたりっきりでのお留守番だというだけ。
     それだけなのに今日は、あたしも晴太も少し落ち着かない。
     だからっていつまでも玄関に立っててもしょうがないので、あたしは「コーヒーでも淹れるよ」とか云って、キッチンへと移動した。

     ヤカンに水を注いで火にかけてから、ドリップポットを用意する。そしてあたしと晴太のカップを出してその上にドリッパーとフィルターを乗せ、その中に種類まではよくわかんないけど挽かれたコーヒー豆を入れて、お湯が沸くのを待つ。
     その内、晴太もリビングに移動してきた。
     だけど何となく会話をすることにためらってしまう。
     それは何故か。

     それはさっき…ママが出かける直前に晴太を呼びに部屋へ行った時だ。ドアをノックもせずに開けたあたしが悪いといえば悪いんだけども…。
     その…見てしまったのだ。アレを。晴太がエロい本を見ながらひとりで自家発電なさっているのを!

     シュンシュンと音がして、お湯が湧く。湧いたお湯をドリップポットに注ぎ、気付かれないように小さく息を吐きながらあたしはコーヒーを淹れる。

     この前まで小学生だったのに、つい最近、中学生になっただけなのに。もうあんなことするんだ。…とか思う。
     5つも年下の弟のことを、あたしはいつまでも子供だと決めつけていた気がするけど、あーゆー場面を見て、大きくなったんだなぁとかの実感はあまりしたくなかったなぁ…。

     とうとうコーヒーを淹れ終えてしまい、気不味いと思いながらもあたしはリビングのソファーに座った晴太の方へコーヒーを持って移動した。
     テーブルの上にカップを置くと、晴太は視線を合わせないようにしながら「ありがと…」と短く云った。
     そうやって俯いてしまった弟を見ていると、まだ、あたしよりも身長低いし、細いしで、やっぱ中1男子って子供にしか見えないのになぁ…とか思っちゃう。
     それなのにさっき見た晴太のアレは…。
    「どういうことなの?」
     見てしまった光景を思い浮かべながら、何となく納得できなくて、あたしはそれを声に出してしまっていた。
    「…は?」
     コーヒーの入ったカップを手にしながら、晴太はこっちを見て訝しげに眉を寄せた。
    「あ…のさ、さっきの…」
     しまった!と思いつつも焦って言い澱むと、晴太はじろり、と軽くあたしを睨んだ。
    「どういうことも何も…ってか、その前に圭ちゃんはさぁ、先にノックもせずにドア開けたことを謝ったら?」

     晴太はあたしを『お姉ちゃん』とは呼ばない。圭子(けいこ)という名前から『圭ちゃん』と呼ぶ。

     正論を云われた気はするので、あたしはとりあえず「すいませんでした…」と、頭を下げて小さく呻くように云った。
     すると晴太は顔を真赤にし、それを誤魔化すかのようにコーヒーをズズ…っと音をたててひとすすりした。
     そういえばもう、コーヒーをブラックで飲むようになったんだと気付く。外見の子供っぽさと反して、見えないところが段々と大人になっているのかと考えると、ちょっと寂しい気がして。
    「ねぇ、今ってちんちんどうなってるの?」
    「ぶっ!」
     ポロリと口に出した疑問に、晴太は口に含んでいたコーヒーを盛大に噴き出す。
    「け、圭ちゃん!?な、ななな、何云ってんのさ!」
     テーブルの端にあった箱ティッシュに手を伸ばしつつも、晴太はかなり困惑した様子でこっちを睨む。
    「だってさっき見た時、あんなにおっきかったから…今はどこに収まってんだろ?って思って…」
    「圭ちゃん、他の人の見たことないの…?」
    「無いよ。彼氏なんて出来たことないし。大体、うちって女子高だもん」
     晴太の言葉にさらりと答えると、晴太はちょっとだけ視線をそらして考えるような素振りを見せた。
     コトリ…と、カップがテーブルの上に置かれる。
     そして顔を真赤にしたまま、口を開く。
    「じゃあさ…見てみる?今…」
     最後の方は小さく渇いたような笑いが雑っていたので、晴太的には冗談のつもりだったのだろう。
     だけどあたしは…もしかしたら自分には一生縁の無いものかもしれない(ちんちんが)とか思ってしまって。
    「うん、見る!」
     と、頷いていた。
     そんなあたしに、ちょっとだけ固まる晴太。

     ややあって。
    「え…じゃ、じゃあ…」
     先に云った手前、引くこともできなくなったのだろう。のろのろとした手つきと緩慢な動きで、晴太はズボンと下着に手をかけた。
     ゆっくりと下ろされる下半身を包む衣服。
     ぴょこっと、さっき見た時とは違って、小さく萎えている可愛いおちんちんが見えた時、何でこれがあぁなるの!?と、驚いた。

    「…どういうことなの?」
     再度、同じ言葉が口から零れる。
     恥ずかしそうに頬を染めて俯き加減に、晴太は「だから…」と口を開いたけどすぐにまた噤む。そしてあたしに向かって大きなため息をひとつ吐いた。
    「圭ちゃん…」
     ちょっと呆れたように吐かれたので、流石にこっちが恥ずかしくなってくる。これではまるであたしがバカだからだ。
    「や、知ってるよ!?え、エッチなあれが…オカズが要るんだよね?」
     焦りつつ、何故かあたしは服を脱ぎはじめた。
     この時はどうすればいいのかわかんなくって。
     下着姿になってから、何であたし自身をオカズに差し出してんの!?とか心の中で叫んだけど、混乱しちゃってて今度はあたしが後に退けなくなっていた。
    「ど、どう?」
     しかも床の上に座ってちょっとしなっとしたポーズとか取ってんの!マジでバカかっ!あたしは!!
     しかし…。
    「圭ちゃん…おっぱい大きいね…」
     ブラジャーに包まれた胸に視線を釘付けにさせながら、晴太が云った。かと思ったら、しぼんでいたおちんちんがムクムクと大きくなりはじめたではないですかっ!
    「おっぱい…おっきいの…好きなの?」
     あたしはあたしで晴太の股間から目が離せず、ガン見したまま口を開いていた。
    「うん…そうだね…好きだよ…」
     頷きながら段々と息を荒くしていく晴太に釣られてか、あたしの息まで荒くなっていく。
     胸の谷間を強調させるように両腕でむぎゅっと寄せてみせると、晴太のおちんちんはまた強度を増したみたいだった。
    「それ…今度は元にもどさないとダメだね…」
    「うん…そうだね…」
     ドキドキしながら云ってみると、晴太はぼんやりとした感じに頷いた。
    「触ってもいい?」
     手を伸ばし、一応訊いてみるけど、あたしは返事など待たずに晴太のおちんちんに触る。
    「ぅわぁ…ッ」
     蕩けたような声を上げる晴太。
     指先でふにふにと丸い先っぽを弄ると、すぐに割れ目から透明の汁が溢れでてきた。
     それを指で掬って絡ませていると、晴太が「圭ちゃん、もっと下…握って、扱いてっ」
    と苦しげに震えた声で訴えてきた。
     云われた通りに下の棒の部分を握り、何となく上下に手を動かしてみる。
    「あ…気持ち…ぃいッ、自分でするよりも…」
     そんなふうに云われると、触ってるこっちとしては嬉しいような気がして、手を動かすのを頑張ってしまった。
    「そんなに…したら…っ、あ、あぁ…ッ!」
     すぐに晴太が一際大きく喘いで、身を震わせた。
     握っていたおちんちんも、びくんっ!とあたしの手の中で大きく脈打った。
    「…きゃっ!」
     脈打ったかと思うと…晴太はあたしの胸めがけて、盛大に精を放っていた。
    「ごめん…圭ちゃん…」
    「い、いいよ…」
     胸の上のヌルヌル感と、男を思わせる精液のニオイに、あたしの頭はくらくらする。
     キュンキュンと下腹部が切なく疼き、もうこのまま弟と…一線を超えてしまいたくなった。

     駄目、それだけは…絶対に…っ

     理性がぐらつきながらも語りかけてくる。
    「戻ったね。じゃあ…ありがとう」
     何が『ありがとう』なのか!あたし!と、心の中で頭を抱える。
     だけど射精したばかりでまだ呆然としている弟の前からそそくさっと、脱いだ服を持ってあたしは退散した。自分の部屋へ。
     晴太はそのまま何も云わなかったし、迫っても来なかった。
     だけどあたしも晴太も確信する。

     一線を超えるのなんて…本当にすぐそこだと。
     どちらの理性が完全に崩壊するのが先かは、わからないけど…。

    それはとても甘い…

    ドアをノックした音には気付いていた。
     だけど気付いていないフリをした。

     そして開いたドアが隙間で止まり、戸惑い、躊躇した気配を背中に感じる。

    「ん…ぁん…」
     押し殺していたはずの声が鼻から抜けるように漏れた。
    引かれるかと思ったけど、ドアの隙間…部屋の外、家の廊下にある気配は消えない。

     あぁ…それはそれでいい。

     見られているのをわかっていて、私はわざと座っていた椅子の向きを動かして脚を大きく広げたりなんかしてみる。
     穿いていたズボンは疾うに脚から抜き去ってて床の上。なのでドアの方からは、脚を脚を広げ、片足を椅子の肘掛けに引っ掛けている格好の、下半身と大事な部分を隠すショーツはよく見えるはずだろう。

    「あ…あぁ…っ」
     セーターの中に手を突っ込み、ブラをずらして自分の胸を揉みしだき、乳首を弄ると、細やかな快感が走る。
     こんな姿を見られているかと思うと…興奮する。それも甥の晶馬(しょうま)に。
     教育に、姉さんに悪いと、道を外れているとわかってはいるものの…私はもう、止められなかった。



     この家、この一軒家は私の家だ。
     古めでそんなに広いわけでもないけど、在宅で仕事をしている私にはひとりでは広かった。
     そんなある日、遠くに居た姉が離婚してここへやってきた。息子を、私から見れば甥っ子を連れて。
     私達はそもそもふたり姉妹で、両親ももう死別していたので、姉に身内は私しか居ない。
     それから…私と姉、甥の晶馬の三人での生活がはじまった。

     …それが6年前の話で。
     晶馬はいつの間にか、中学生になっていた。
     そしてあの子が、私と同じくらいの背丈になった頃に…私は甥に性的な欲情を抱き始めた。



     ドアの隙間からは微かにカフェインの香りが漂う。
     きっと晶馬は姉さんに云われて、私の為にこの仕事部屋にコーヒーを持ってきてくれたのだろう。

    「んぅ…ぁは…ぁ…っ」
     まだあるドアの向こうの気配を意識しながら、私はゆっくりとショーツの上に指先を這わせる。
     欲情に柔らかくなった肉の花弁を擦り、指を沈ませると、じわっと温い淫水がにじみ出てショーツに染みを作った。
     そのまま溝を何度も擦り、布越しに固くなったクリトリスを嬲る。
    「はぁ…は…ぁあ…ん」
     軽くイキながら考える。
     今、廊下でこの痴態を覗き見ている晶馬はどんな表情(かお)をしているのだろう。と。
    「ん…はぅ…っ」
     更に興奮した私は、ショーツの又布を横にズラして開いた秘花を晒した。
     入り口をなぞり、指先で更に開き、デスクの上にあった万年筆を淫溝に当てる。
    「…あん…っ」
     冷たさに小さく喘ぎつつも、その万年筆を見せつけるようにゆっくりと、いやらしい水音を掻き立てながら淫穴へと埋めていく。
     意識をドアの向こうへも方向けながら手を動かし、自分でコントロールするように私は自分の膣内(なか)を万年筆で探った。
    「ん、んん…ぅく…っぅんっ」
     こんなの本物の男根に比べたら些細な快感だ。
     だけど、覗かれているとか、それが甥っ子であるとか、晶馬も興奮しているかもしれないとか思うと…ただの万年筆でも気持ちが昂って快感を引き起こすようだ。
    「あ…あは…ぁあっ!」
     すこしだけ大きく喘ぎ、私は絶頂した。
     痙攣する太腿の間から、力の抜けた手から、淫液でベトベトになった万年筆が床に落ちて転がる。

     あ…このニオイ…。

     カフェインとは別のニオイがドアの隙間から鼻に届き、口許が緩んだ。

     …雄のニオイだ。

     私は誘う。
    「晶馬…居るなら、入ってきていいよ…」

     私の声に、驚いた気配が返って来るも…暫しの沈黙の後、ドアはゆっくりと開かれた。
     コーヒーを持った手と、自身を握った手。
    「永久子(とわこ)おばちゃん…オレ…ッ」
     頬を赤くし、瞳を潤ませ、晶馬は興奮の色を含んだ掠れた声を向けてくる。
     私は立ち上がり、晶馬の後ろのドアを閉めた。
     そして鍵までも掛けて…。

    「内緒よ?姉さんにも…他の誰にも」
     囁きに強く頷く甥に微笑む。
     優しくも罪深い。
     そんな誘いに、晶馬も微笑う。恥ずかしそうに。

     心の奥底で何度も姉に『ごめんなさい』と繰り返しながらも、私は舌なめずりした。

     秘め事とは、背徳とは、なんて甘いのだろう…と。

    姉の表情(かお)。

    …どうしてこうなった?

     柔らかいベッドの上。肌触りのいいケットの上に。
     俺の身体は沈んでいる。
     仰向けに倒された俺の腹の上には依伽(よりか)。実の姉。

     ついさっき…泥酔して帰ってきた姉を介抱し、部屋まで運んで来ただけのはず…。

    「…逃がさんっ」
     低めの声と酒臭い息を吐き出しながら、不敵に口許を歪める様はどこか邪悪で…って、それだけだったらいつもと大して変らねー、姉特有のデカイ態度ってヤツ?なのだが…。
    「何なの…?」
     腹の上に跨っている依伽に静かに問えば、酔っぱらい全開で「にひっ!」と笑い、いつもなら俺に向けないような屈託の無い笑顔を向けて来やがった。
     そして「ねぇ~…」と、恋人にでも甘えているような声を出して顔を近付けてくる依伽。
     酒臭いのを我慢して息を止めると、依伽の顔は俺の顔のすぐ横に落ち、耳元に唇を近付けてきた。
     鼻息が、吐息が耳に当って妙にゾクゾクするが、ここで反応したらダメな気がして俺は動かず黙って、それでも半ば諦めて、姉の横暴に耐えることにする。

     しかしややあって。
    「…ねぇ、ぎゅってして」
     とか、いつもの強気な姉とは思えないような発言が耳に入った。
    「何の冗談?」
     思わず聞き返すと、依伽は頭を俺の胸の位置までずらしてきて、そのまま胸板に額や鼻先を擦り付けるようにしてきた。
     どうにも…云う通りにしないと気が済まないらしいので、仕方なく俺はベッドの上に置いていた腕を依伽の背中に回した。
     やんわりと背中を擦り、頭を撫でると、依伽はゆっくりと上を向いて俺を見た。
    「…依人ぉ」

     涙まじりの声と…俺を見上げる表情(かお)に…心臓が跳ね上がる。

    「もっと強く…ぎゅってして…?」
     甘えてくる依伽は完全に…姉という表情(かお)を捨てている。
     酔っぱらってるからなのかどうかもわからないが…とにかくその表情(かお)はヤバイ。
     姉の表情(かお)が無ければ…ただの女じゃん。俺好みの、年上で可愛い手の焼ける…。

    「依伽姉さん…わざとなの?それ…」
     訝しみ、訊ねると。
    「えへへ!依人、あったかい!」
     人の話を聞いてない酔っぱらいのテンションが返ってくるし…。

     わからない。どうしてこうなった?
     どうして俺は実の姉にドキドキしているんだ?しかも今更。18年間生きてきて、ホント今更。
     しかも依伽は、俺をおちょくってるのか本気なのかがわからない。

     暗闇に慣れた目で天井を見つめて息を吐く。長い溜息。
     腕の中に姉を、依伽を抱きながら、俺は諦めたようにひとりごちた。

    「…もう、好きにしてくれ」

     豆電球しか点いていない部屋の中、ベッドの上で。
     こっちが色々と諦めたのをいいことに、そのまま依伽は俺の身体の上で動き出す。
     また違う表情(かお)で。

     さっきまでの『恋人に甘える』ようなものでもなく、もちろん『姉』のものでもない。

     服を脱ぎ、下着をも捨て、俺の上に跨ってこちらを見下ろす姿は…全く知らない、見たことのない女のようだった。
     …だけど紛れもなくこれは依伽で、俺の姉で。
     混乱する。

     本当に…どうしてこうなった?

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