オリジナルの18禁・TLといったエロいライトノベルを書いています。短編メイン。シリーズものであってもどの話からでも読めるようにしています。ご意見・ご感想はリンクに置いてあるメールフォームをご利用下さい。
真夜中。
海野流久(うんの るく)は、自分の部屋へコッソリと、侵入してくる人の気配に、眠りに漂っていた意識を現実に引き戻した。
(今日こそは…)
眠気の残る思考の中で、流久は自分に言い聞かせるように心の中でつぶやく。
寝ている自分に近付くのは、性的興奮に荒げた息を吐く男の気配。
(今日こそは…起きなくちゃっ)
激しく打ちはじめる鼓動に息を呑み、流久は強く思う。
だが決意とは反して、流久の目は固くぎゅっと閉じられたまま開かず、身体は眠っていた時と同じまま、起きるどころかぴくりとも動こうとしない。
(起きて、云わなくちゃ…っ)
被っている布団に男の手が掛けられるが、考えとは裏腹に、流久は起きることがまだ出来ない。
(お兄ちゃんに、『やめて』ってちゃんと…)
云わなくてはならない。
何度も何度も繰り返しそう思う。
毎夜、家族の誰もが寝静まった頃、コッソリ部屋へ忍び込んで来る兄の太六(たろく)。
思い返せば数日ほど前。
いや、流久が気付いていなかっただけで、もっと前から兄のヘンタイ行為は始まっていたのかもしれない。
寝ている流久の部屋へやって来ては、太六は興奮した息を吐きながら、掛け布団をそっと避け、妹の寝姿を暫く眺めてから去るのだ。
一体どういうことなのか、流久にわかるはずもない。
ただわかるのは、太六は妹に対して性的な感情を何故か抱いている、ということぐらいで。
とりあえず彼は、間違ってはいるが『視姦』というこの方法で、毎夜自分の欲求を満足させているらしい。
(今はまだ…見られてるだけだけど)
流久の懸念は『その先』にあった。
そう、今はただ『見ている』だけで済んでいる。だが、いつその先へ、次のステップへ、兄の『欲求』が進み、一線を超える。流久はそれが怖かった。
(兄妹なのに…おかしいよ、こんなのっ)
自分に言い聞かせるように、流久は何度も思うのだが今日も、何故か目を開けることが出来ない。
身体を這い回る太六の視線に、流久の心臓は咽喉から飛び出しそうなほどの速さで動いていた。
(もしかして、わたし…期待してるの?)
葛藤の中、流久はふとそう思った。
目が開けられないのは、今でなくても兄に何も云えないのは…もしかして自分が『一線』を超えたいと思っているからだろうか、と。
いつもそう思いはじめる頃、太六は去って行く。
流久に布団を掛けなおし、何事も無かったかのように部屋を去る。
そして今日も。
「…お、兄…ちゃ…っ」
いつも通り太六が去ろうとした時、いつもと違うことが起こった。
蚊の鳴くような弱々しく小さな声だったが、流久は寝言のように目を閉じたまま、兄を呼んでいた。
布団を掛けようとしていた太六の手が止まる。
「お兄ちゃ…んっ」
さっきよりは少しだけはっきりと、流久は兄を呼ぶ。
何故いつものように兄が去るのを待てなかったのか、流久自身が一番困惑しているところなのだが。
(もうダメ…っ)
崩してしまった均衡に流久は、ようやく本心を素直に認めた。
(もう待てない…我慢なんて、出来ない…ッ)
それでも寝たふりを決め込みながら、流久は寝返りをうつふりをして、わざとパジャマが捲れあがるように動いた。
お腹にひんやりと夜の冷えた空気を感じるが、それでも流久は懸命に寝たふりをつづける。
ごくり。と、息を呑む音が耳に届き、流久は自分の身体に切なくも淫靡な熱が点るのを感じた。
薄く目を開けると、太六は露出された自分の白いお腹を凝視している様子で。
ゆっくりと、薄暗い豆電球の灯りの中で、兄の手は小刻みに震えながら自分に伸びてくるのが見えた。
お腹に、肌に太六の手が触れた瞬間、流久の下腹部に甘い衝撃が走る。
「―…ッ!」
漏れそうになった声を、唇を噛み締めて彼女は耐えた。
そんな妹の様子に気付いているのかいないのか。しかし太六の方も、理性の限界で何かがぷっつりと切れた様子で。
「…流久っ」
一声、ひとりごちるように名を呼ぶと、焦る手つきで太六は乱暴に妹のパジャマに手を掛けた。
布の裂ける音が小さく響き、ボタンが幾つか取れてシーツの上に落ちる。
それでも流久は、高鳴りつづける鼓動の中、人形のようにじっとしていた。
胸を揉みしだく兄の手が熱い。興奮に尖った乳首に這う舌がとても熱い。
与えられる快美な刺激に、流久の身体はぴくぴくと小刻みに震え、吐く息は段々と荒くなっていく。
性欲を貪り、感じることに夢中で、起きているとか寝ているとか、ふたりはもうどうでもよくなっていた。
「…は、ぁんっ」
流久が小さく漏らす甘い声も、もう太六にとっては性欲を煽る媚薬でしかない。
無抵抗な妹の身体からパジャマのズボンを脱がすと、膝を持ち上げ、脚を開かせると、太六はショーツの上から妹の敏感な部分に顔を近づけた。
「はぁ…ぁ、はぁ…っ」
疼きを増す秘部に熱い息がかかり、流久の快感への期待は更に増す。
じわり…と、秘所最奥からはしたない液が溢れ出るのが、流久は自分でもわかった。
溢れた恥液はショーツに黒ずんだ染みがいやらしく浮かび上がる。
目に映った恥液の染みに、太六は舌を押し当てて夢中にしゃぶりついた。
「んっ!はぁっ、ひゅぁ…んっ!」
布越しに、入り口に与えられる浅い快感に声を漏らすも、膣奥には切ない疼きがもどかしく溜まり増えていく一方だ。
(このままじゃ、バカになっちゃうよぉ…っ)
淫熱に浮かされたように、流久はゆっくりと目を開けた。
薄暗い部屋の中、バカみたいに自分の股間に顔を埋めている兄を見る。
「お兄ちゃん…っ」
声に、太六ははっとして顔を上げた。
気まずそうな表情(かお)をする兄をぼんやりと見やり、流久は寝惚けているような、のんびりとした仕草で動く。
ショーツの股布を横へずらすと、甘い声で流久は囁いた。
「お兄ちゃん…これ、夢だよね?だから、いいよね…?」
そんな誘惑を、性的対象と見てしまっていた太六に、跳ね除けるような理性など今更、残っているはずなどない。
彼とて薄々は、流久が『実は起きていた』という事実に気が付いてはいたのかもしれない。だが、気付いていないフリをつづけていたのかもしれない。
それはたぶん、流久の『拒絶』を待っていたのだろう。
濡れた秘口に、物欲しげに男を誘う妹の淫らな入り口に、兄の固い熱棒があてがわれる。
粘膜に感じる男根の熱さに、流久は本当に夢見心地な快美を感じた。
「あ…あぁ…んっ」
流久の唇から、今まで出したことのないような甘い息が漏れる。
狭い、男を受け入れたことなどなかったはずの少女の秘穴は、太い肉棒にぐいぐいと押し広げられていった。
「気持ち、いぃ…っ、気持ち、いぃよぉ…お兄ちゃぁんっ」
不思議と、破瓜を実感するような痛みは無く、流久の淫口は抵抗なく男を受け入れていく。
ただあるのは、甘い心地快さのみ。
本当に今しているこの行為は、セックスは…夢の中の出来事かと錯覚してしまう。
「お兄ちゃ…っん!」
「…流久っ」
はじめて知った繋がる快感。
ただセックスをするというだけで得られる快美ではないことに、太六はもとい、流久も気付きはじめていた。
☆
何事もなかったように振る舞ういつもの朝。
いつもと違うと感じるのは、まだ流久の身体には夜の余韻が濃く残っていること。
流石にあの出来事を、本当に『夢』だとは思ってなどはいない。
これは『恋』とは程遠く、そして『好意』などでもなかったかもしれない。
こっそりと、流久はコーヒーを飲んでいる太六に囁く。親の目を盗んで。
「お兄ちゃん、今日も夢に出てきてね。待ってるから…」
太六は何も云わないし、何の反応も表に出さなかった。流久もそれ以上は何も云わなかった。
ただの『好奇心』とか『若気の至り』とか。それだけのものだ。
だけど知ってしまった『味』は、とてつもなく美味で、他の人間では味わえないスパイスを秘めている。
(もう駄目、我慢なんて…出来ないの)
他人には絶対云えないことであっても手離すことなど出来ない。
小さく…流久は微笑った。
夢という檻の中で、誰にも知られてはいけない秘密を抱くことに。
手には家庭用ゲーム機のコントローラー。テレビ画面に映るのは少し古い格闘ゲーム『剣豪スピリッツ』のムービー。
スタートボタンを押して対戦モードを選び、キャラクターをセレクトする。このゲームをする時の、自分のお決まりキャラ『上泉詩乃』を選ぶと、相手は『丸目クラウド』を選択。
手加減するつもりなんてない。相手が誰であろうと、全力で相手するのが礼儀というものだとオレは思っているから。
だがしかし、居心地が悪いと感じるのは、この部屋がオレの部屋でも男友達の部屋でもなく、女性の部屋だということ。
今まで感じたことのない緊張感に、オレの手は汗でびちょびちょになっていた。
何でオレは…ここに居るのだろう?などと、今更ながら思う。そして思い返す。
☆
女の子がゲームセンターで、格闘ゲームをプレイしてるなんてこと、もうそんなに珍しいことでもない。そしてオタク文化に世間が寛容になりつつあり、今やゲーセンは素行の宜しくない人たちの溜まり場というわけでもなく。
オレのような、ちょっとゲームが好きなだけの高校生でも、日々入り浸れる過ごしやすい時代なわけですが…。
ゲーセン備え付けの自販機で、頼んだジュースを買ってオレに手渡すと、彼女、今川素花(いまがわ もとか)たる女子大学生は大きな溜息を吐いた。
「…今日も勝てなかった」
「いや、でも、素花さんも相当強いと思うけど?」
彼女の云う、勝てなかったというのは、オレ、庵原幸也(いはら ゆきや)との対戦である。
このゲーセンで、格闘ゲームを通して、高校生の俺と、大学生の素花さんは出会った。
ある日、一緒にこのゲーセンに通っていた友達が格ゲーで、乱入してきた素花さんにボコにされたのがきっかけだった。仇を取ってくれと頼まれ、今度はオレが乱入して、素花さんを負かしてしまったのがはじまりだ。
それ以来、素花さんはオレを見つけては対戦を申し込んでくるようになった。ほぼ毎日、彼女と対戦する日々がつづいたが、オレはまだ一度も負けたことが無い。
何かを賭ければ燃えるかもしれないからとか何とか、素花さんが云い出し、賭けた缶ジュース一本。それはもちろんオレの戦利品となったわけだが。
「そうだ!賭ける物がショボいから燃えないんだよ!」
とか彼女が云いだした。
「ショボいって云われても…」
一介の、バイトもしていない高校生にとっては、ジュース一本だって痛い出費になりうるというのに、何て恐ろしいことを考えるんだと思った。 貧乏学生のワンコインに込める情熱を軽く見ないでいただいきたいところである。
「あ!そうだ…」
何かを思いつき、素花さんはオレにこっそり囁きかけた。
「え!は!?や、それは…っ」
素花さんの囁いた提案に、オレは思わず驚きの声を上げずにはいられなかった。
幾らなんでもそれはどうなんだろうか?と、戸惑うオレのことなどお構いなしに、素花さんはオレの腕を掴んで立ち上がる。
「よし!じゃあ、あたしの部屋でやろう!マンション近いから大丈夫!」
何が大丈夫なのか謎なのだが、オレは何だかんだで、素花さんの強引さに引っ張られたのか、それとも邪まな心が勝ったのか、そのまま素花さんの部屋へ連行されたのだった。
☆
どんな時でも手加減無しで!
『わー!』
絶叫を響かせ、素花さんの『丸目クラウド』がダウンする。
画面には勝利ポーズを取るオレの『上泉詩乃』。
ほんの少し間を置いて。
「っだあぁぁッ!」
叫び、コントローラーを放り投げ、頭を抱える素花さん。
賭けの内容を後悔しているのだろうかとも思ったが、彼女は案外早くに敗北のショックから立ち直った。
「あたしが言い出したことだもん!有言実行!」
「ほ、本当に脱ぐんですか!?」
「脱ぐよ!そして次はあたしが勝って、あたしが幸也くんを脱がす!」
そんなことを力強く宣言しながら、勢いよく彼女は着ていたTシャツに手を掛けたくしあげる。確かに『負けた方が服を脱ぐ』と、云い出したのは素花さんだが。
白いお腹とか、ブラはピンクだとか、それに包まれたデカイ胸が揺れるとか、オレの目にはしっかりそれらが映って焼きつく。
狼狽するオレを他所に、素花さんはコントローラーを再び手に取って隣に座る。
「よし!次は勝つ!そんで幸也くんを絶対、裸にひん剥いてやるのだっ」
何がそこまでして、オレをひん剥くって事に闘志を燃やせるのかが謎なんだけど、とにかく素花さんのやる気は衰えていない。
っつーか、オレ…一体、この人に何をされてしまうんだろう?
奴隷とか、美人局(つつもたせ)とか、そーゆー可能性が駆け巡り、集中力をかき乱す。
「じゃ、2回戦目!れでぃーごーっ!」
明るい声にはっとなる。テレビ画面を見れば、俺の『上泉詩乃』は素花さんの『丸目クラウド』に先制の一撃を喰らってしまっていた。
オレは出来るだけ素花さん自身を見ないように心がけ、ゲームに集中する。
これぐらいのダメージなら、まだ逆転の機会はある。ここ数日、ずっと対戦して来た相手なのだ、クセや苦手なコマンド、好きなきめ技…それらは全部知っているのだから…。
『攪拌サイクロンランス!』「『あぁあぁあぁーっ!』」
オレの『上泉詩乃』の超必殺技が炸裂し、素花さんと『丸目クラウド』の敗北の叫びが重なって響く。
『剣の道は人を殺す為だけにあらず…』「よっし!」
勝利の決め台詞を口にする『上泉詩乃』に、オレはいつものノリで思わずガッツポーズを取ってしまっていた。
そして、はっとなって隣を見ると、上半身裸の素花さんが、今まさにスカートまで脱ごうとしている最中だった。
オレは息を呑む。もう彼女の行動を止めるとか、そんなことも出来なかった。幾らオレがオタクといったって、普通の男子高校生には変わりなく、人並みの性欲や欲望なんかは持ち合わせている。何も云えなくなったのは、やはり『素花さんの裸とか見たい』と思う部分が大きいからだ。
このまま止めず、俺が勝ちつづけたら…本当にこの人は全部脱いでしまうのだろうか?そしてもし、全部脱いでしまったら…その後はどうなってしま…う…ま…?
今のオレにはそこまで妄想を張り巡らせる度胸はなく、頭の中に何故かシマウマを描いて誤魔化すことしか出来なかった。
次にオレが勝ったら、一体何を脱ぐんだ?靴下か?とも思ったが、素花さんは今日、サンダルを履いていて素足だったから靴下は無い。と、すると、彼女が身につけているのはもう上下の下着のみなのだが…。
「3回戦目~」
素花さんの声が耳に入るが…もはやオレに、ゲームへの集中力はほとんど無かった。
ガードを忘れ、凡庸なコマンド入力をミスし、俺の『上泉詩乃』はもうガタガタだ。意味も無くジャンプしてしまい、対空技であっさりダウン。
『お主も徹斎鍋食うか?』
ガタッ。『丸目クラウド』の勝利の決め台詞が流れ、オレの手からコントローラーが零れ落ちる。バクバクと早く大きく鳴りつづける心臓の音を耳の奥に聞き、オレは驚愕に見開いた瞳で、出来るだけゆっくりと素花さんの顔を見た。
「んっふっふっふ…ッ」
ニヤリと、意地の悪い形に上がった素花さんの口の端から、含んだ笑い声が小さく漏らされる。まるで獲物をなぶる猫化動物のようならんらんとした瞳で、楽しそうに彼女は微笑っていた。
「さぁ~て…脱いでもらいましょうかねぇ?」
どこの時代劇の悪代官か悪徳商人だ!?と云わんばかりの口調で素花さんはオレに手を伸ばす。オレのTシャツを引っ掴み、それを脱げと引っ張るのだ。
「じ、自分で脱ぎますから!」
そう云って、自らTシャツを脱ぎながら、どうすればいいのか考えた。…考えた、が…何も浮かばなかった。どう転んでも、ヤバイんじゃないのかと…。
そんな状況でゲームなんか…到底出来るもんでもなく…。
☆
テレビ画面にはエンドレスでゲームのムービーが流れていた。
全ての身包みを引っぺがされるのなんて、もう本当にすぐの事だった。まだ薄着の季節だから脱ぐ物もそんなにあるわけない。
全裸にされたオレは、まるで追い詰められた小動物だ。部屋の隅っこで自分の股間を隠して小さくなるのが精一杯。
「やっぱ本気で相手してくんなきゃ、つまんないなぁ」
オレを見下ろし、下着姿で素花さんはそんなことを云う。この状況で、集中力を乱さずにプレイできる男子が居たら、そいつホ●なんじゃねーの!?って感じだ。
純真な男子高校生をからかって、この人は本当に何を考えているんだろうか?ただでさえ女に免疫なんてないのに…素花さんみたいな可愛い人に、下着姿で目の前をうろうろされたら…。
「ねぇ…もう我慢出来ないんだけど…」
「え…?」
はぁはぁ…という熱い吐息と共に聞えた声に顔を上げると、目の前にはほんのり桃色に肌を染めた、火照った表情の素花さんの顔があって。
「もう賭けとかそんなのどうでもいいから…幸也くんの全部、ちょうだい…」
「素花さ…んっ!?」
とんでもないことを口に出したかと思うと、近付いた唇がオレの呼びかけを遮った。ようするに…オレは今、素花さんにキスされている…ということになる。
これは…ラッキーなのか?それとも、単に遊ばれてるだけ?
けどすぐに、思考や理性なんて吹き飛んでしまった。
素花さんに導かれた手が触れた、彼女の柔らかな胸の実りに。
触ってもいいんだ。と思うと、もうオレの性欲は一気に暴走しはじめた。
オレの手の中で形を変える肉の果実から目が離せない。
「ん…っあ…んぅ…ッ」
小さな声を途切れ途切れに漏らしながら、熱に浮かされたような表情で、素花さんは背中に手を回してブラのホックを自分で外す。
興奮しているのか、柔らかな肉の果実の中心には尖ったピンクの小さな尖りがあった。
「はひゃ…ッ!」
胸の尖りに指先でそっと触れると、それだけで彼女は敏感に喘いだ。
「んぅう…ん、あぁん…おっぱい、感じちゃうぅっ」
はしたない台詞、甘い声、熱い吐息…それらがオレを刺激して、オレの股間は今までにないくらいの興奮状態だ。G行為の時だって、こんなにすごい勢いで勃起したことなんてない。
今、自分の手の中に、女の…素花さんの柔らかい胸がある。
こんな夢のような出来事が本当に今、現実なのかどうかも困惑するぐらい…今、オレは淫らな熱に浮かされている。
「…やらしいオッパイ」
「ぁふぅう…ぁっ」
何気なく口から出た言葉に反応してか、素花さんは一瞬、恍惚とした表情で唇を噛み締めながら、身体をびくんと硬直させた。
もしかして恥ずかしいのだろうか?これだけ恥も外聞もなく誘惑して、導いておいて。
などとも思いながら、オレの手や言葉で素花さんが淫らに反応するのが楽しかった。
「素花さん、どうするの?オレは…これからどうすればいいの?」
多分、このまま最後まで…セックスしちゃってもいいのだろうけど、素花さんの反応が見たくって、わざと焦らすようにオレは訊ねてみる。
くねっともどかしげに、素花さんは上半身をくねらせると、床にペタンと膝で座ってオレの手から逃げた。
「幸也くんの…おいしそう…」
ゴクリと、素花さんは咽喉を鳴らして云った。
熱っぽい眼差しでオレの剛直を見つめ、花に引き寄せられる蝶みたいに手を伸ばす。
「ずっと、こうしてみたかったの…」
くすりと、薄く微笑いながら素花さんはオレを上目遣いに見る。しなやかな指の感触が肉竿に絡みついた。
それだけで、何とも甘い刺激がオレの下半身を駆け巡る。
脈打つ肉茎をゆっくりしごく素花さんの手と、亀頭に落とされるキス。
「うぅっ!」
射精してしまいそうになるのを、流れっぱなしのゲーム画面を横目で見てオレは堪えた。
舌先が…素花さんの唇が…飴でも舐めるみたいに丸い先端を刺激し、滲み出た透明の汁を美味そうにすする。
「んんっ、おいひぃ…っ、ゆひやひゅんの、ひゅご…ぃいッ」
最高のごちそうを貪っているかのように、いやらしい靄に包まれた表情(かお)で、彼女はじゅぽちゅぱと音をたててオレにむしゃぶりついてきた。
初めてされるフェラに…他の事で気をそらせて耐えるとか、幾ら何でももう限界だ。
「素花さん!出る!オレ…射精しちゃうぅっ!」
腰が抜けるような感覚に襲われ、オレは昇る快感に身構えながら叫んだ。
それでもオレを、素花さんは放そうとしない。彼女を見下ろすと、そのまま射精してと云わんばかりの視線を送られ…限界が来た。
「出る!出てる!素花さぁ…っん!」
思わずオレは、彼女の頭を掴んで引き寄せた。びくびく蠢き、白い液体を放出する男根を、咽喉の奥まで届くほど押し込んでいた。
「んぅっ、んぇうぅっんっ」
素花さんの声に苦しげなものがまじった。
それでもオレは、射精の快美感に酔いしれて、しばらくは彼女の頭を自分の股間に押し付けたまま、惚けたように動けなくなっていた。
『剣豪!スピリッツ!!』
聞きなれていたはずのゲームの音声に、オレは我に帰る。
その途端に腕と脚から力が抜けた。
どっとオレが床に尻餅を着くと、素花さんは「ぷはっ!」と大きく息を吐く。口の端から垂れた、濁った白い液体を指ですくい、その濡れた指を舐めながら素花さんは云う。
「…幸也くんの味☆」
くすり。と、漏らされた微笑があまりにも妖艶で、オレの心は激しくときめきつつも、この美味しい状況を未だ理解しきれておらず、頭の中はぐちゃぐちゃで。
「ねぇ、もう…入るかなぁ?」
そう囁いた彼女の声にも、ぼんやりと頷いてしまっていた。
立ち上がり、ショーツを脚から抜き取る素花さんを、オレはポカンと口を開けたまま見ていた。
素花さんは床に座ると、テレビのリモコンに手を伸ばして電源を切る。テレビ画面がプツンと暗くなり、部屋の中は静寂した。
動かないオレに跨って、素花さんは床に膝で立つ。ふと、柔らかそうな白い太腿に目をやると、その内側は濡れ光っていた。
…欲情してる。
素花さんも。やっとで、オレはそれを理解した。
今まで気が付かなかった自分はどんだけニブイんだろう、とは思うけど…ここ数日、素花さんはオレとこうなるように仕組んでいたんだと。
好きだと云われたわけでもないし、云ったわけでもない。でも…性格からして(オレには告白する勇気が無く、素花さんは気の強いところがあって自分からは云えないのだと思う)、こうする方が手っ取り早いのかもしれない。
いつの間にかオレの熱い猛りは、素花さんの手によって、秘口の入り口に導かれていた。
「んぅ…熱い…っ」
みなぎったオレの自身を感じて、素花さんは興奮に甘い息を吐く。
濡れた肉の花弁を押し割って、先端が淫らに潤んだ秘溝を何度か擦った。
「ぅわ…っ、気持ち、良すぎ…ッ」
はじめて味わう粘膜の感触に声が出る。
気持ち良すぎて、さっきフェラで一発出していなかったら、もうすでに射精していたかもしれない。
「まだだよ、まだ…全部、入れちゃうんだからっ」
務めて素花さんは明るい口調でそう云ったが、心なし声には震えがまじっていた。『男を誘う』という慣れない行動のせいで緊張していたとは、 この時は気が付かなかった。
「ん…うぅ…んっ」
もどかしげにゆっくりと、素花さんはオレを迎え入れようと腰を落としていく。
にゅぐ…っ、と、狭い入り口をこじ開けるようにして、男根が彼女の中に沈む。秘洞の奥へぎこちなくも進むたび、オレの漲りは射精を我慢して何度もビクンビクンと脈打った。
「ひゃ、はぁあぁっ、気持ち…いぃ、よぉ…っ」
喘ぎ、素花さんは爪先に力を込め、バランスを崩しそうになるのを耐える。
口の端から涎を垂らし、瞳は淫欲に煙っている。いつもの『綺麗なおねえさん』というイメージは何処へ飛んでったのかとも考えてしまうが、自分のせいでこんな表情(かお)をしていると思うと、ただオレの『性的なオスの本能』とでもいうのだろうか。それがおとなしくはしていなかった。
「素花さん、動くよ?いいよね?」
「…ひゅぇ?ん、う…んっ」
虚ろに、かすかに頷いて、素花さんはダラリと身体をオレに預ける。
細やかに痙攣している脚を抱え上げると、オレはそっと素花さんの汗ばんだ滑らかな肢体を床の上に寝かせた。
こうして見ると、自分のモノが素花さんの秘唇に飲み込まれている様がよく覗える。押し広がったサーモンピンクの花弁に、がっちりと肉棒を咥えた淫口。
とにかく奥まで、自身を全部入れたくて、オレは乱暴に腰を突き進めた。
「ひ…!んにゃぁあぁぁぁあぁぁっ!」
にゅぢゅぅ…っ。濡れた音をたて、男根が全て膣道へ飲み込まれると、素花さんは白い咽喉を見せて悲鳴に近い声を上げた。
一瞬、彼女の瞳は驚いたように見開かれたが、オレが腰を動かし出すと、その瞳はまたすぐに、快美なまどろみへと落ちたようだった。
「わ…ひゃっ!しゅごっいぃ!は、いってる、ゆきやひゅんの、が…っいっぱいぃっ!」
素花さんが喘ぐたび、男根を包む柔肉がきゅんきゅんっと締め付けるように蠢く。
そんな刺激を与えられ、我慢出来る童貞が何処の世界にいるものか。たちまち込み上げる絶頂感に意識が朦朧とした。
「うぅ…ぅっ!」
「な、なかぁっ!にゃかで、動いてるうぅっ!熱いの、にゃかにいぃぃっ!」
うめいた瞬間、脳天に甲高い素花さんの絶叫が駆け抜けた。耳奥にきぃんと残るその声に、意識は現実へと引き戻されるが…。
「あぁぁっ!」
叫び、オレは素花さんの中から慌てて自身を引きぬく。
だがすでに発射してしまっていた欲望は…素花さんの秘口の中にほとんど零れ、ついでに薄い腹の上にも撒き散らし…。
「す、すいません!すいませんっ!」
頭から血の気が引くのがわかった。オレはばっとその場で土下座し、床に額を打ちつけんばかりに何度も頭を下げた。
「うわぁ…中からいっぱい溢れてきたぁ」
のんびりとした口調が降った。
頭を上げてちらりと見やると、上体を起こし、脚を開いている素花さんが目に入る。
自分の指で花弁を広げ、ぱっくりと口を開けた秘穴の奥から、ドロリと流れる白濁の液体を見ている素花さん。
そんな姿を見ていると…膣内(なか)出ししちゃって青ざめていたはずなのに、またもやムクムクと萎えていたはずのモノが復活してきてしまった。
腹の上に落ちた精液を指ですくい、素花さんは云う。
「中、すっごく気持ちよかったぁ…」
「えっと、あの…」
戸惑っていると、素花さんはちらりとこっちに、まだ気だるそうな眼差しを向けてきた。
「ねぇ、もう一回しよ?あたしのココ…もっと幸也くんのでいっぱいにしてほしいのっ」
物欲しそうな下の口を見せびらかしながら…そんなことを云う。ほとんど脳がエロいことばっかり考えてるとか云っても、まあ間違っちゃいないような年頃だ、そんな誘いに…抗えるはずがない。
土下座のしてた事などすぐに頭から吹っ飛び、何も考えずにオレはまた素花さんに覆いかぶさっていた。
「ひゃ、あぁ~んっ」
さっき膣内(なか)出しした精液と、充分に潤いほぐれた秘溝は、にゅるっといった感じに、実にあっさりとオレのモノを受け入れた。
滑りがよく、さっきよりも抵抗が少なく動きやすい。隆起したモノで淫壁を擦るたび、素花さんの奥からより濃厚な熱い粘液が湧き出している気がする。
「あ、あぁ、んぁっ、ひ、にゅあぁっん!」
泣き笑いに近い表情(かお)で、マトモな言葉にならない声で喘ぐ素花さん。
本気で感じているんだと思うと、嬉しくて腰の動きが軽快になるというものだ。
「ひにゃっ!は、あぁぁっ!にぃやぁあぁぁっ!」
ぱんっぱんっ、という渇いた音と、ぐぶっぐぼっと濡れたいやらしい音が耳につく。
あとは素花さんの淫らな悲鳴が部屋の中に響くだけ。
オレは何となく、リズムに合わせて揺れている大きな果実のような乳房をわし掴んでみた。
「あーっ!あぁぁあぁああぁあぁっんっ!」
ひときわ大きな嬌声を上げ、素花さんは大きく背中を反らせて悶える。
柔らかな肉の果実を揉みしだき、固くなった桃色の尖りを指先で摘んで引っ張ると、男根を包んでいた淫壁がきゅうっと引き絞るように蠢き、とてつもない快感が沸き起こった。
「か、感じひゃ…うぅッ!おっぱ…ぃ、感じ…ひゃうぅ…ん!」
そんなに感じるなら…と、オレは片方の手を下に伸ばし、花唇を探ってみた。
指先にすぐ、小さな肉芽が当たる。
「ひきゃっ!?」
びくんっと、不意打ちに電気でも流されたように全身を揺らした素花さんの反応に、当たりだと確信した。ちゃんと、クリトリスを探し当てたのだと。
「にゃっ、ひょ、ひょん…なぁっ、感じ、しゅぎちゃ…って、らめぇ!バカに…頭、バカになっちゃうよぉおぉッ!!にゅあぁぁあぁぁぁあぁっ!!」
ぷりぷりした肉芽を摘み上げると、素花さんは激しく快感に叫んで小刻みに震える。
同時、肉壁に扱かれたオレの猛りは脈動し、堪えきれない絶頂感へと導かれた。
膣内(なか)から、モノを引き抜くことも出来ないまま、彼女の最奥へとオレは欲望をぶちまけた。
「か…は…ぁっ、ひぁあ…ッ」
腹の中にオレを感じているのか、素花さんはうっとりとした瞳で天井を仰ぐ。
「素花さん、オレ…」
聞えているかどうかは微妙だったが…。
ここで云わなければ、一生云えない気がして。
でもやはり、そのひと言は届いていなかったかもしれない。『好きです』という、たったひと言。
☆
シャワーから出る熱いお湯を頭からかぶる。と、ゆーか、かけられている。
楽しそうな鼻歌。でもそれは、オレの鼻歌じゃなくって素花さんの。
狭いユニットバスにふたりでぎゅうぎゅうになって入る…何だかバカップルみたいでもの凄く照れるんだけど。
けど…気になることがあって、今の状況に素直に浮かれていられない、小心者のオレが居る…っ。
「どうしたの?頭も洗ってあげよっか?」
「いや、いいです…」
ご本人は何も気にしてらっしゃらないご様子で、オレの返事の答えなどお構いなしに、わっしゃわっしゃとオレの髪にシャンプーをかけて洗い出した。
あぁ…素花さんの髪と同じ香りが…。
「って!和んでる場合違うしっ!」
一瞬、ほんわかしかけた自分に、自分でツッコミを入れると、オレはキっと素花さんをまっすぐ見た。
「素花さん!」
「うにゅ?」
首を傾げる素花さんが可愛くて、ちょっとだけ怯んだりもするが…でも、これだけは聞いておかねばならない。
「あの…オレ、中に…出しちゃったけど…その、だ、大丈夫なんですか…?」
もう最後の方なんか目ぇ反らしちゃってるし、声小さくなっちゃったし…。
でもまあ、通じたみたいで。
「あぁ!大丈夫なんじゃないの?たぶん」
めちゃめちゃ明るい声で何の保証も確証もないことを云う。
オレは頭と胃の辺りが痛くなった気が…。
俯いていると、また頭からお湯をかけられた。
バスタブの底、排水溝へ流れて行くお湯とシャンプーの泡を目で追う。追っていて…赤いマーブル模様がまじっているのに気付く。
ふと、自分の鼻を触ってみたが…どうやらオレが鼻血を出しているというわけではないらしい。
眉間に皺を深く刻んだまま顔を上げると、素花さんも赤いものに気が付いたみたいで。
「あ、ごめん。生理きちゃったみたい」
底抜けに明るい笑顔を照れ隠しに、素花さんはてへっと笑った。
「は…はは…っ」
安堵し、気が抜けて、オレからは弱々しい笑いしか出ない。
そんなオレの心中を知ってか知らずか、素花さんはオレの頭を撫で、肩をぽんと叩く。
「しばらくセックス出来ないけど、明日も対戦しよーね」
その言葉に、やはり全ては素花さんの策略であったのだと確信した。
色々と悩まされた一日ではあったし、これからも悩まされるかもしんないけど、とりあえずオレは今、心底ホッとした気がする。
「明日も『剣豪スピリッツ』ですか?」
「普段使わないキャラ対戦とかやってみよっか」
「あぁ、それ面白そうですね」
やっと普段っぽい会話が出来たことが嬉しくて、自然と緩い笑顔になった。
にへにへと締まりない顔でオレの世話を焼いてくれる素花さんだが、シャワーを止めてバスタオルをオレの頭にかぶせると、ほんの少しだけ真面目な表情(かお)でじっと見つめてくる。
「な、なんですか?」
オレは、思いっきり高鳴った鼓動にうろたえた。
くすっ…。と、年上の余裕のような小さな微笑。そして。
「ゲームだけじゃなくって、あたし自身の相手も…本気でしてよね!」
素花さんの掌で踊る自分。
そんな青春どころか…そんな未来が待っているのではないだろうか。
とか考えて、男としては情けない気もしたが…それでもまあ、いいか。と考えた。
でもオレと素花さんは、そんな感じでちょうど良いのだ…。たぶん。
旦那の新連載がはじまりました。
ぶんか社「ホラーM」にて
うえやま洋介犬「マガサスビヨリ」
コチラの記事をご参照ください。
「コミックナタリー」漫画の情報サイトさんです。
あとアマゾンでも。
告知でした!
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そしてオススメ。
エロ漫画家うさみ☆さんのブログです。
単行本
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4765909492/ref=sr_1_333?ie=UTF8&redirect=true&redirect=true&s=books&qid=1257865563&sr=1-333
電子書籍の。
http://www.dmm.co.jp/digital/book/-/list/=/article=series/id=11600/media=comic/
参照画像がないのが残念ですが、その辺りはご本人のブログでお確かめくださいv
頬を赤らめ俯いて、上目遣いに俺を見つめる女子が居る。
クラスメートの大崎由亜(おおさき ゆあ)。
愛の告白でもしたかのような恥ずかしがりっぷりだが、俺は愛の告白を受けた記憶はない。だけど大崎の俺への発言は、愛の告白なんかよりもある意味強烈で。
二言三言ぐらいしか喋った記憶のない、正直、さほど興味も無かったはずの女子なのに、とても返答に悩む。
これは一体、どういった類の試練なんだ?!
☆
事のはじまりは下駄箱に手紙。
…という、古典的な手段で俺、一栗平太(いちぐり へいた)の元へ届けられた手紙。
だがそれは、今、この雰囲気とは少し違うニュアンスの内容で…『相談に乗ってほしい』といった感じの文面だった。
隣の席に居るとはいえ、大崎のことは『大人しそうな文系眼鏡っこ』というぐらいにしかない。相談を持ちかけられるほど親しくもないし、だからといって恨まれたりするような記憶もない。だからこれは…何だろう?…授業中にこっそりと手紙を読んだ時は、不審に思う自分の方が正直、大きかった。
なのにこの放課後の、誰も居ない教室で…潤んだ瞳で恥ずかしそうに俺を見つめる大崎に、不覚にも俺はときめいたし、甘い期待もしてしまった。
「あの、一栗くん…っあのね?」
少し間を置き、遠慮がちに開かれた大崎の口から次に出た言葉は。
「一栗くんのおちんちん、見せてくれないかなぁ…?」
「…はぃ?」
甘さも辛さも遥か斜め上空を通過して、清楚な眼鏡っこの口からでた用件は強烈だった。
一瞬、俺の思考は停止状態に陥っていたかもしれない。アホの子のように口を開いたまま、点になった目でしばらく大崎を見下ろしていた。
頬を赤らめ俯いて、上目遣いに俺を見つめる大崎。
「な、何?今、何て云った…?」
耳掃除はこまめにしているものの、俺の聞き間違いか?と、思って俺は訊き返す。
大崎は赤い顔を更に紅潮させ、泣き出しそうな表情になりながらもう一度云った。
「一栗くんの、おちんちん見せてって云ったの!」
勢いに任せて声を大きくして云っておいて大崎は、両手で顔を覆い、羞恥にたまらず後ろを向く。
え?訊き返した俺が悪いのか!?とか思って一瞬戸惑う俺。
何?罰ゲーム?そう考える以外他に適切な言葉など思い浮かばない。これが遠回し(ある意味直球?)な愛の告白だったとしても…って!んな告白の仕方あるかーいっ!!
心の中、ひとりで考え自分にツッコム。
返事を待っているらしく、大崎は恥ずかしそうな表情で、もじもじしながらも俺の表情(かお)をちらちらと覗い見ていた。
「…あの、大崎さん?」
やっとで。俺はようやく疲れたような掠れた声を出した。
期待したように瞳を輝かせ、はっと俺を見上げる大崎。
いや!見せないっ、見せないよッ!?そんな瞳で見ても、普通は『はい、どーぞ』ってわけにはいかねーよ!?
ともかく。俺は、大崎が何故にそんなことを俺に切り出したのかを探ることにした。
「とりあえず…断る、とだけ云っておく」
「そ、そんなぁ~…」
涙目でしょげる大崎だが、ふつーは無理だし無茶だしと、気付かないのだろうかと思う。
「でさ、これ、何の罰ゲームなの?怒んないから、隠れて見てる人が居るんならどこで見てんのか教えなさい」
俺は「コホンっ」と小さく、ひとつ咳払いしてから訊ねる。
しばし間を置き、大崎はきょとんと首を傾げて云った。
「誰も見てないけど?ってか、罰ゲームって、何の罰ゲーム?」
…結構な沈黙が、静かな教室内に流れて、俺の頭の中に浮かんだのは『孔明の罠?』とか何とかそんな言葉。
「あ、あの…一栗くん、ごめんね?これはその~…説明すると長いかもしれないんだけど…」
俺の放心っぷりを見てか、やっとで大崎は『ちんこ見せろ』との発言の説明を、ポツポツと語りはじめた。
「あの、わたしね、見ての通りオタクで、腐った女子と書いて腐女子ってやつなの。」
ってことはあれか?『ぼーいずらぶ』とかそゆのが好きで、要するに『男同士』がキャッキャッうふふっ☆なアブナイ世界が大好物ってのか!?
考えて、げんなりと俺は消入りそうな声で「そうですか…」と、気の抜けた返事をする。
「それでそう、やっぱり『そーゆー類の本』を持ってるんだけど…その、どうしても気になって…っ」
「あぁ…アレがね…」
「そう!ソレが!!」
察し、俺がポツリと漏らした言葉に、大崎はテンション高めに、びしっとこちらを指差した。
や、まあ…だからって普通は本当にこんな暴挙に出る奴は居ないぞ。
呆れた視線を送っていると、彼女はコホンとひとつ咳払いをし、姿勢を正し。
「と、いう訳だから、一栗くんのナニを、見して☆」
「だから何で俺だぁーッ!!」
悪びれた様子もなく、可愛いポーズできゃら☆っと流す大崎に、思わず、バンっと机を叩いて叫んでしまっていた。
が、一瞬だけ、大崎は驚いたように瞳を大きくさせたが、すぐにまた、キョトンとして。
「…何となく?」
「うぁあ…っ」
妙な声でうめき、俺が頭を抱えてしゃがみ込んだのは…当然といえるだろう。
ど、どこまで…っ、一体どこまで脊髄反射で動いてるんだ!?この女はっ!!
のん気な面(ツラ)でこっちを見ている大崎を、とりあえず俺はしゃがみ込んだ姿勢のまま、キっと睨みつけてみた。
「大崎、お前さぁ…俺のこと、好きなのか?」
でなきゃ、納得できない…と思う。こいつが俺にそんな逆セクハラなお願いしてくる理由が。…でも、俺だったら『見せてくれるかも』とか思われてだったらヤだなぁ…。
その質問に大崎が即答することはなかった。ふと、難しそうな表情(かお)をしてしばし考え込む。
「…正直、よくわかんない。『好き』か『嫌い』かっていえば、『好き』な方なんだけど…」
「何だそりゃ」
呆れた声で云ってやると、大崎は急に慌てたように口をパクパクさせた。
「ご、ごめんなさい!わたし、すっごく失礼なお願いしたよね!?」
…今頃気付いたんかいっ。
「でも…わかんないんだけどね、一栗くんじゃなきゃ、ダメな気が…ってゆーか、一栗くんのが見たいなって、思ったんだもん」
大崎の言葉には『他の男』という選択肢が全く見られなくて。
つまり…それは、大崎本人が気付いてないだけで、俺のこと好きなんじゃないのか?とも思えてきた。
そこで俺は、ある駆け引きに出ることにした。
「なぁ大崎、俺のその…アレ、見せてもいいけど」
「え!本当!?」
しゅんとなっていた表情(かお)が豹変して、キラキラと生き返った瞳で俺を見る大崎。
俺はすっくと立ち上がって云ってやる。
「見せてもいい。だけど、お前も俺に…その、あ、アソコを見せるってことが条件だ」
「うにゅ…ッ」
変な声を上げて、大崎は息を止めているのを我慢してるみたいに顔を真っ赤にさせて身構えた。「うー…」と、大崎は唸って考える。その間、俺の心臓は、ばっくん、ばっくん、と気が遠くなる感じに大きく打ちつづけた。
突然、大崎は決意を込めた目でこっちを見て。
「いいわ!見て!わたしのアソコも見て!そうよね、一栗くんのだけ見せてって、不公平だよね!?」
「ちょ、大崎、声大きいってッ、あと、今ここで脱ぐなっ!」
スカートの中に手を突っ込み、もうパンツを下ろそうとしている大崎の手を止め、口を塞ぎ、俺は彼女を羽交い絞めにした。
「ここじゃダメだろ!?マズイだろ!」
よっぽど息が苦しかったのか、大崎はこくこくと何度か頷いて、ぷるぷると小刻みに震えながら涙目で俺を見た。
ゆっくり手をはなして大崎の身体を解放する。
ぐったりと肩で息する大崎を見ながら、だからって何処で?と、俺は考える。
どっちかの家ってのも考えたが、親とか居たらマズイし。でも、幾らなんでも教室(ここ)では危なすぎる。いつ誰が入ってくるかもわからんし。
俺は頭の中に学校の見取り図を思い浮かべてみた。鍵が開いてて、人が滅多に来そうにない場所…。
「大崎、こっち…」
もしやと思い、俺は彼女の手を引っ張って歩き出した。ふらふらした足取りで大崎は俺に連れられ歩きだす。
廊下を行き、階段を上って、屋上への扉が見える突き当たりの踊り場。
他の踊り場よりも狭いのは、簡易的に作られた小さい倉庫があるからだ。
そこは鍵など掛かっておらず、中は狭いが、置いてある物は各教室の、古くなったカーテンぐらいで、ひとりで惰眠を貪るのには持って来いなので、俺がしばしば利用しているサボリスポットだ。
電気は無いが、屋上を覗ける窓があって、ちょうど明り取りの代わりになる。
扉を閉めると大崎は、歩いてきた短い時間の間に正気に戻ったのか、扉を閉めた音に我を取り戻したのか、さっき教室に居た時よりは多少、マトモな目をしていた。
それだからか、あの勢いは何処へやら。大崎は怖気付いたのか、スカートの裾を握り締めたまま動かない。
まあ、怖気付いて止めるんなら、それはそれでいいかと思った。
短く息を吐き、大崎に止めてもいいんだぞ、と伝えようとしたところ。
「ねぇ、胸は見たくないの?」
って。飄々とした台詞が飛んできた。
「や、そりゃあ…見たいけど」
「本当?じゃあ、全部脱ぐから、あっち向いて一栗くんも全部脱いでね」
「あ、あぁ…」
促されるままに、俺は逆を向いて服を脱ぐ。
耳には、大崎が服を脱ぐ衣擦れの音が届いてきた。
(…裸…)
今更、大崎の裸を妄想する。
あいつ、肌白いよな。とか、胸でかそう。とか様々なエロシチュエーションな大崎が浮かんで…。
熱は、あっとゆー間に股間に集中してしまい、俺のモノは、今までにないくらい大きく膨張してしまっていた。
「いいよ、こっち向いて」
そう云った大崎の声に、俺は高鳴る鼓動と鼻血が噴出しそうな興奮を抑えられないまま、欲望にギラついた目でゆっくりと振り返った。
黒いカーテンの上に、制服も下着も何も着けていない大崎が正座していた。
大崎の肌は…思っていたよりも白くて綺麗で、きめ細かくて…。胸も、妄想した以上にデカかった。
「一栗くんのソレ…おっきくなってるの?」
熱の篭った瞳で、俺の一点に視線を注ぎ、大崎は足を崩しながら云った。
「う、うん…」
素直に頷き息を呑み、俺は大崎の動きから目を離すまいと必至に目を開けていた。
「やっぱりちょっと…恥ずかしいね」
「うん…」
掠れた声で会話して、お互いに引き付け合うように少しづつ近づき…。
「なあ…由亜って呼んでもいいか?」
「うん、いいよ…じゃあ、あたしも名前で呼んでいい?」
「ん、あぁ…」
「由亜…」
「平太くん…」
名前を呼び合うと、俺たちは自然に顔を近付けてキスしていた。
柔らかくて熱く、甘ったるくてくらくらする。
こんな場所で素っ裸になったりして、今の俺たちは本当にどうかしている。
性欲っていうものは…こんなにも人をおかしくしてしまうものなのかと考える。
しばらく俺たちは抱き合い、お互いの唇と舌を貪り合っていた。
「…はぁ、あ、は、あぁ…ッ」
やがて大崎が…いや、由亜が甘い息を吐きはじめた。
「平太くん…触って…」
囁くようにして、由亜は俺の手を自ら導き、柔らかい胸の膨らみに持っていく。
白い乳房に指が沈み込む。その柔らかさには感動すら覚える。
「あふ…っ」
切なそうな声を上げ、膝を擦り合わせる由亜。
俺は夢中になって乳房を揉み、由亜の肌にしゃぶりつき、舌を這わせていた。
「ひゃ…ぁはぅっ!ひぁ…ん!」
ほんの数分前までは、何とも思っていないような、ただのクラスメートだったはずなのに、敏感な声を上げる由亜が可愛くてしょうがない。声をもっと聞きたくて、淫らな由亜が見たくてたまらなかった。
「ねぇ…わたしも、したいっ」
執拗に胸ばかり攻めていると、痺れを切らしたように由亜が云った。
そっと俺の自身に手を伸ばし、丁寧にやんわりと由亜は撫でる。
「うぁ…っ」
他人(ひと)の手というのは、自家発電の時よりも気持ち快く感じるみたいで…思わず声が出た。
「やっぱ男の子も、声とか出すんだね…」
くすり…と微笑いながら、由亜は俺に身体を密着させて圧し掛かってきた。
胸元に、由亜の巨乳が押し付けられ、それに狼狽した俺は、いとも簡単に、その場に仰向けに倒されてしまった。
「あ…こんなカタチ、してるんだね」
掌の中で亀頭を弄びながら、由亜は身体を段々下へずらしていき、俺のナニに息を吹きかけてきた。
吹きかけられるたびにゾクゾクして、俺の固くなったソレは何度もビクビクと脈打つ。
「わぁ、透明のヌルヌルしたの、出てきた」
いつの間にか攻守逆転したような気がするけど…由亜の手が気持ち快すぎてあまり抵抗するような気もしないので、されるがまま、暫くじっとしていようかと思った。
「すごいね、ねぇ、どうやったらせーえきって出るの?」
「えっ…と、竿の部分、握って、擦ったり…あと、舐めたりとか…してくれたら…」
もの凄く興味深々に訊いてくるので、手コキだけでもどうかなのに、幾ら何でもフェラは無理だろーなぁと思いながら、それでも男の願望を、俺は口に出して云ってみる。
「…こう?」
上目遣いにこちらを見やり、俺のナニを握って扱きながら由亜は首を傾げる。
「ん、気持ち…いい…っ」
頷くと、由亜は嬉しそうに顔を赤らめて微笑む。
手を動かしながら、俺の表情(かお)をちらちらと見やる潤んではいたものの、理性を保っていた彼女の瞳は、そう時間が経たない内に淫らな色を灯してきた。
指先で亀頭の割れ目から滲み出た先走りの汁を弄りながら、惚けた表情(かお)で彼女は徐々に顔を近付けていく。
「ぅわ…っ」
とうとう由亜の唇が亀頭に触れた。
息と共に声を吐き出すと、彼女は舌先で透明の汁をペロリと舐め取り、うっとりと、艶を帯びた滅茶苦茶エロい表情(かお)で俺を見た。
自身に与えられた不慣れな快感もさることながら、そんなエロい眼差しを向けられたら…もう、我慢なんて到底出来るものではなかった。
「由亜、もう出る、出るっ」
宣言し終えるよりも早く、俺の自身は大きく脈打つと、どうすることも出来ずに勢いよく、由亜の顔に向かって射精した。
「…きゃっ!」
白濁の液体が容赦なく由亜の顔に、髪に降り注ぐ。
射精してなお、びくびくと脈打ち収まりを見せない俺の自身を、短い悲鳴を上げつつも、彼女はしっかりその手で握ったままだった。
「…ごめん、出ちゃった」
「ん…でも、すごいね、まだおっきい…」
お互い放心したようにぼんやりとつぶやき合い、見つめ合う。
とは云っても、由亜の眼鏡には俺の精液が降り注いでしまっていて、彼女の目は見えなかったが。
由亜はゆっくりとした動きで身を起こすと、眼鏡を顔から外してレンズについた液体を指ですくう。指を舐め、舌で精液を舐め取り、眼鏡にキスして。
「美味しくないのに、クセになりそう…変なの」
と、微笑って云った由亜の言葉は、ズキュンと俺の胸に激しい衝撃を与える。
暗めの部屋の中でも、由亜の肢体だけはしっかりと見える。
俺を跨って膝立ちになっている彼女の太腿に目をやると、脚の付け根、薄い陰毛の奥から、雫が幾つも滴っているのが見えた。
「これ、濡れてんの?」
「ひゃうんっ!」
内腿に手を伸ばし、触れると、由亜はびくっと身体を震わせて声を上げた。
上半身を起こして鼻先を近付けると、甘ったるいような蒸れたいやらしいニオイがして、お漏らしとはやっぱりまた違うのだと思い、少しだけ感動する。
そのまま指を脚の付け根まで這わせて茂みを探ると、濡れた花弁の中にあっさりと指先は入り込んだ。
「ん、あぁん…」
由亜の吐く淫らな声に刺激され、彼女の潤った入り口に置いた指を、俺は息を潜めてそっと動かした。
ちゅぷぅ…。
水音が…やけに大きく響いた気がした。
ぬるりとした粘膜の感触は、もの凄く温かくて柔らかく、それなのに入り口はきゅっと引き締まって俺の指をきつく咥えて。
この中に…由亜の中に俺のを挿入したら…どんなに、と想像して、ごくりと咽喉が鳴った。
「ねぇ…平太くん、中が、オマンコの中がね、ムズムズしておかしいの…っ」
「え…っと、こうか?」
由亜が何を要求しているのかすぐには理解出来ず、とりあえず俺は、入り口に浅く挿入していた指を、動かして奥へと滑り込ませた。
「あ、ひゃぅ…んっ」
淫らな由亜の声に合わせ、中に挿入した一本の指を動かす。
「ひ、はぅっ、あ、はひぃ…っ!」
指先で膣壁を掻くようにして掻き混ぜると、由亜は背中を反らせて短く喘いだ。
そうしている内に、俺の腹の上には幾つか小さな水溜りが出来ていて、欲情に煙った眼差しで由亜は何かを訴えはじめた。
「も、だめ…っ、へーた…く、ん…っ、ほし、い、ほしいのっ」
途切れ途切れに、うわ言のように由亜は云う。
やらしい表情に、俺も、俺のナニも、我慢出来なくなってくる。
「いいのか?このまま、俺とセックスしちゃっても…」
「い、いぃ…いいの、だって欲しいの、へーたくんのを、入れたいのっ」
懇願に指を引きぬくと、由亜はふらりと腰を落として自分から俺のモノを導いた。
亀頭の先に柔らかい濡れた感触が纏わりつき、一瞬だけ目眩が起こる。先っぽが触れただけでこの快美感だ、奥まで、俺のを膣内(なか)に根元までぶち込んだら…。
俺の理性は、完全に消え去っていた。
「は…ひぎぃいぃっ!?」
歯を食いしばった苦しげな悲鳴にはっと我に帰る。
由亜の腰を掴み、俺は一気に自分のモノを、下から勢いよく突き入れていた。
「いっ、ひはぁっ!い、たい、痛いよぉっ!」
驚愕に大きく瞳を見開き、顔色を青くして由亜は泣き叫んだ。
けど俺には…今、童貞ゆえに、彼女を気遣うような余裕はなく、ただこの快感を自分勝手に貪る以外の事など出来なくて。
「ごめん、由亜!気持ちよすぎて、止まらねーっ」
腹の上に落ちていた水溜りに、破瓜の出血が零れ落ちてマーブル模様に滲む。
それを見ていながらも、俺は行為を止められなかった。
崩れるように倒れ込む由亜の身体を抱え込み、そのまま形勢を逆転させて覆い被さると、俺は更に勢いをつけて腰を突き動かす。
由亜の痛みも構わずに、自分の快感だけを優先して。
だけど俺が絶頂に昇りつめよう頃には、彼女の悲鳴には甘さが伴いはじめていた。
「ひぁ…あ、はひぃ…っん!」
その嬌声に快感は煽られ、痺れるように頭の中は真っ白になった。
それでも、中に射精するのはヤバイ!
と。頭の片隅には浮かんだ。
「あぁあんっ!」
一際、耳に響く由亜の声に視界が開ける。
白い肌の上、うっすら汗の滲んだ彼女の太腿や腹に、俺のぶちまけた濁った精液が飾られていた。
痙攣する由亜の太腿を見ていると、俺の中で一瞬鎮まった欲望がまた身を起こす。
でも、今度は理性の暴走はなかった。
「ごめんな、乱暴にして…」
囁き、俺は、涙で濡れた由亜の頬にキスを落とした。
「うん…でも、途中から気持ちよくなってきたみたいで…」
肩で息をしながら、由亜は俺の首に腕を回す。
彼女はちらりと俺のモノに視線を落とし、萎えていないことを確かめて云った。
「ねぇ、もう一回…して?」
「う、うん!」
してもいいと云われて、断れる高校生男子が何処に居ようか。
覆い被さり、それでもさっきよりは気を使い、俺は再び彼女の中へ侵入した。
「ん、んぅ…んっ」
俺との繋がりを感じ入るようにうっとりと、由亜は瞳を閉じて吐息を漏らす。
「は、入ってる…っ、あたって、る…!わたしのお腹、中から、突付かれてる…!」
由亜の震える唇から漏れるのは、断続的な息と嬉々を含んだ甘えた声。
どうしてこいつと、セックスする羽目になったんだっけ?好きだったか?嫌いじゃないけど、好きでもなかったはずだろ?こいつだって…俺のこと好きかどうかもよくわかってないのに。
ただ、状況と雰囲気に流されただけなのかもしれない。
正気に戻ったら、この浮ついた気持ちはなくなるのだろうか?と、ふと思った。
「や、すごい!きもちぃいっ、きもち…いぃっ!」
喘ぐ声に、すぐに思考はまた性欲へ集中した。
腰を動かし、必至に、俺たちはお互いを求め合う。
こんなにも激しく、熱く、しかも俺たちの相性は多分バッチリで。
「由亜…」
「平太く…んっ」
上昇した快感の中、お互い名前を呼び合いながらも、俺たちはそのつづきを咽喉の奥へ飲み込んだ。
この状況で『好き』だと云っても…嘘臭いだけだ…。
☆
制服を着直して、狭い簡易倉庫から出ると、廊下はすっかり夕焼けに染まっていた。
ぼんやりと無言のまま、何となく俺たちは手を繋いで階段を下りる。
置いたままにしている鞄を取りに教室に入ると、夕陽の朱に染まったそこは、普段感じる堅苦しさが和らいで見えた。
「ねぇ…平太くん」
静かな、由亜の呼びかけに、俺は内心どきっとしながらそちらを見た。
夕陽の中の彼女は…恥ずかしそうに伏し目がちに俯いていて。
「もしよかったら…わたしたち、付き合ってみない?」
俺が云おうと思っていた言葉だったのに…先を越されて俺は戸惑った。
でも俺の答えは決まっている。
「何か滅茶苦茶な順番だよな」
苦笑を交えてそう云って、俺は不安げな色を瞳に映す彼女の手を握った。
「よろしく」
「うん、よろしく!」
ぎゅっと、お互いの手を握り合う。
だけどまだ、俺も由亜も『好き』というひと言は云えなかった。
それをまだ云うには早すぎる。今はまだ、ただ嘘臭いだけだと思ったから。
こんな『恋の訪れ』も、たまにはあるかもしれない。
森の奥深くには、とても大きな木があった。
その木は他の木とは違って逞しく、木の中にあるというのに別格の存在感を纏っていた。
年季の入った太い幹と根には光り苔がこびりついていて、夜の中でもその木の周りはぼんやりと薄明るい。
幻想的に揺れる光は永い年月、人の目に触れることもなくそこにずっと佇んでいた。
今夜も。やはりあの人は…。
何かの意思が、弱々しく揺れる光の中に紛れた。
だが、静寂の森はやはり夜の冷たさを保ち、いつものように変わることの無い景色で過ぎる…筈だった。
ふいに、人の気配がその幻想的な場所に向かって来た。
静寂の中に似つかわしくない慌ただしい足音で。
ガサガサと茂みを掻き分け、何かから逃げているような焦った足取りで、その者はそこへ現れた。
「…はっ、はぁっ、は…ぁ…っ」
大きな木に背中を預け、肩で息をしながら座り込んだのは、としの頃なら30歳半ばといったところか。随分と使い古された皮の鎧に身を包み、長 剣を腰に下げ、黒髪に琥珀色の瞳を持った傭兵風の男。
微かに血のニオイを漂わせ、うっすらと額に汗を浮かべながら男は「ふー…」と長い息を吐く。
肩から背中にかけて斬られた傷がある。命に関わるような深さではないが、随分とその傷を負わせてくれた者との戦闘は苛酷であったらしく、動いた分だけ増えた出血に、彼の顔色は少々青ざめていた。
「不意をつかれたとはいえ…」
ぼそりと、彼はひとりごちた。『情けない』と、自虐を込めた続きの言葉はぐっと飲み込み、それよりも今夜どう過ごし、明日どうするかを考える。
しかし熱を持つ傷口に気を取られ、彼の思考は上手い具合には働いてくれなかった。
それ故か、突如現れた気配に気くことが出来なかった。
「あの…」
若い女の声が彼にかかる。
はっと、男は思わず剣の柄に手を掛けて振り返った。
「あっ」
が、何ともマヌケな声が漏れたことか。
目の前に立っていた女は、賊や暗殺者などとは程遠く、そして冒険者でもない、ただの女だったからだ。
「や…悪い、その…こんな所で声をかけられるなんて思わなくって…」
不器用に、引きつった笑顔で男は、驚いた表情の美女を見上げて云った。
「いえ…その…こちらこそ、驚かせてしまったみたいで…」
そう云って儚げに微笑み、美女は木の幹に隠れるようにして顔を覗かせていた。
弱い風になびく金色の髪と、薄明るい光を映す金色の瞳。それらはこの幻想的な景色に似合いすぎていて、彼は一瞬、精霊か何かなのかとも錯覚した。
しかし何故、こんな夜更けにこんな森の奥に?という疑問は即座に浮かぶ。
「人を待っているんです、私」
その疑問を察したらしく、彼女は先に口を開いた。
「あ…そう、それってやっぱ、恋人とか?」
再び木の幹に背中を預け、男は気が抜けたように長い息を吐きながら訊いてみる。
「…そうです」
恥ずかしそうに微笑いながら頷くと、彼女はひょこっと木の影から出てきて彼の隣に座った。
(そりゃそうだろうなぁ…)
美女が夜にこんな場所で待ち合わせといえば、やはり逢瀬の為。それが古来からのならわしというものである。とか考えて、これでは口説けないなぁ…と、密かに思う。
「あ、あー…じゃあ、俺って邪魔だよなぁ」
他人の恋路を邪魔するような野暮ではないし、だからといって見せ付けられるのはごめんだ、と、彼は立ち去ろうと立ち上がった。
「待ってください、大丈夫です!待ってるだけで…来ませんから!」
彼女は彼のボロボロになったマントの裾を掴んで引き止める。
「もう何年も前の話なんです、ここで逢う約束をしたのは…。」
「えっと…それって…」
もう死んでいるってこと?とは、はっきりと口に出せず、男は罰が悪そうに口篭もった。
けれど彼女は、気にしないでと首を横に振ってつづける。
「えぇ、多分…そうなんでしょうね…。それでも私、ここを離れることが出来なくて」
「毎晩、ひとりで?」
彼の問いかけに彼女は悲しげな微笑みで頷く。
亡き人を想いつづける女は苦手だ。どう接すればいいのかわからないし、口説くことさえも出来ないじゃないか。
次に発する言葉が見つからず、男は押し黙ってしまった。
そのまま彼女も何も云わないままで、しばらく沈黙がつづいた。
緩い風に揺れる淡い光だけを瞳に映す。
どれくらいそうしていたのだろうか。長い時間に思えて、案外短かったのかもしれない。
「ここに生えている薬草、肩の傷に効くと思いますよ?」
ふと、声がかかった。
一瞬だけ、眠っていたようで、はっと彼は顔を上げた。
薬草らしき草を持った美女が、彼の顔を覗き込んでいた。
「服、脱いでくだされば、手当てできますけど…」
「あぁ、それじゃあ…お願いしようかな」
そういえば、負った傷が疼いていることを思い出し、薬草があるならば…と、彼は鎧と上着を脱ぎはじめた。
冒険者生活が長いらしく、男の身体は整った筋肉に覆われていた。実戦で鍛えられた体躯に無意味な筋肉などついていない。
肩から背中にある真新しい傷の他にも、彼の身体には古い傷跡や痣がたくさんある。
彼女は掌の中で薬草をこねて軽く潰すと、彼の背後に回った。
まだ血の滲んでいる肩の傷に潰した薬草を塗りながら、彼女は逞しい背中にそっと触れる。
「あなたがここに来た時…彼かと思って吃驚しちゃったんです」
「あぁ、そりゃあ、紛らわしいことして悪かったよ」
「いえ、そういうことじゃなくって…」
彼の皮肉った言い回しに、彼女はくすりと小さく微笑うと、ほんの少しだけ間を置いて。
「あまりにも似ていたから…あなたが…」
ほとんど聞き取れないような呟きを漏らした。
薬草を塗り込む手が、背中で微かに震えて止まった。
泣いているのかと、彼が振り向くと。
「…ごめんなさいっ」
涙交じりの声でひと言発すると、彼女は彼の太い首に腕を回して抱きついてきた。
「!」
そして彼が驚きの声を上げる間もなく、その唇は唇で塞がれた。
突然のキスに、再度驚きはしたものの、儚げな美女を跳ね除けたりは、彼には出来ない。
心情は複雑だ。
誰と…彼女は一体、どんな男と自分を重ね合わせているのだろうかと思う。
他の男を想っている女を抱く趣味など彼にはないが、どういう訳か彼女だけは特別な気がしたりする。お互いに名前も知らないというのに。
それはこの幻想的な場所がそう思わせているだけなのだろうか。
「エルシオ…っ」
囁かれた名前は、もちろん彼の名ではない。彼女の…待ち人の名前なのだろう。
だが彼はもう、何も云わなかった。
腕の中で震える美女を優しく抱き締めると、涙に濡れた彼女の頬にそっと唇を落とした。
髪を撫で、嗚咽を漏らす彼女をそっと木の幹にもたれかからせ、彼は何度もキスを繰り返す。唇、額、頬、髪に首筋…。
次第に彼女の口から漏れる嗚咽は、色を含んだ小さな喘ぎへと変わった。
彼女の抵抗は無い。もう完全に彼を待ち人と錯覚しているのだろうか。
服の上からでもわかる豊かな膨らみにそっと手で触れると、彼女の身体は敏感に反応する。ぼんやりと薄明るい夜の中でさえわかる白い肌が、恥ずかしげに紅く染まる。
潤んだ金色の瞳に、柔らかに揺れる長い髪、濡れて艶っぽい唇に、冒険者なりに抑えていた彼の性欲が一気に膨らみはじめた。
「…なぁ、その、いいのか?」
今更ながら訊ねてみる。
「きて…私を抱いて」
遠くを見ているような瞳で頷き、彼女は手を伸ばした。
愛しい男性(ひと)を見つめる眼差しは、手の届く彼にではなく、果てしなく遠い追憶へと向けられていたが…。
(それでも…いいか…)
何故かそう思った。
久しぶりに女を抱ける、とかそういった下衆な考えではない。代わりでもいいと思ったのは、それで彼女の心が少しでも楽になるのではないかと思ったからだ。
長いスカートを捲ると、しなやかな脚があらわれた。
頬と同様、白い肌は少し紅潮していて色っぽい。
太腿を擦って脚の付け根に指を滑り込ませると、そこはすでにしっとりと湿っていた。
下着を脱がせて膝を割り、彼は起き上がった自身を取り出し、濡れた花弁に擦りつけるようにあてがった。
花弁を押し広げ、熱い肉棒が淫溝を擦ると、ぬちゅっぐちゅっ、と淫靡な音が漏れた。
「ん、んぁ…んっ」
小さく喘ぎ、もどかしげに彼女は腰をくねらせる。
亀頭はすぐに彼女への入り口へ導かれ、ぬめった秘口の中へすぐに呑み込まれはじめた。
「は…あぁっ!」
悲鳴にも似た嬌声を上げ、彼女は嬉しそうに微笑う。
「エルシオ…ッあぁ…っ!」
満たされたような笑顔。願いが叶ったかのような、満足げな瞳。流れるのは嬉し涙。
☆
朝の陽が昇りはじめる。
大きな木にも朝陽が射し、幻想的な光もゆっくりと消え始めた。
その木の根元には、ひとりの人間の姿しかない。ぼんやりと光を見つめる傭兵の男。
手には確かな温もりが残っていた。
木の精霊であったかのように目の前から消えた…幻のような金目金髪の美女の。
今思えば、ひと時の夢のようだ。突然、姿を現し、陽炎のように透けて消えてしまった彼女。
「…なんだよ、そりゃあ…」
ポツリと、彼の口から少し愚痴っぽいつぶやきが漏れた。
消える間際の彼女から聞いた待ち人の名前に、複雑な思いが交差する。
エルシオ・メイフィールド。
それが、彼女が待ちつづけていた人物の名前で、彼女がこの場所に縛られ、待ちつづけた時は数百年という、人間では不可能な歳月。
その身は朽ちても、想いと魂はこの場所に縛られ、待ちつづけることしか出来なかった哀れな女。
だが、偶然なのか運命なのか、彼が訪れた事によって…彼女の魂は救われたのだ。
ヨシュア・メイフィールド。
彼の名前である。
どうやら、遠い先祖がやらかした約束を、知らぬ間に肩代わりした様だ。
故郷から遠く離れたこの地で、彼の祖先は随分罪作りな約束をしたものだと、溜息が出る。
だけどただ、偶然に迷い込んだだけにしては、彼の心は納得出来なかった。『呼ばれた』といえば、何だか電波チックだが、多分そうだ。
何かに呼ばれ、導かれたのだ。
先祖の霊に一杯喰わされたんじゃないかと思うと癪だったが、ひとりの女を救ったと思えば腹も立たない。
そして、一瞬でも感じた甘酢っぱい切なさは…多分、嘘ではないから。
ひとつ、ヨシュアは短い溜息を吐くと、明るくなった森の中を歩きはじめた。
大きな木に背を向けて。
薬草が効いたようで、肩と背中の痛みはもう無かった。
夢でも幻でもない、不思議な…とある日の、森が見た景色だった。
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